のぼうの城を読んで

のぼうの城は、映画の原作になった和田竜の歴史小説です。
野村萬斎主演の映画も面白くてヒットしましたが、この小説もまた輪をかけて面白い。
特に主人公の”でくのぼう”侍”のぼう”様が、石田三成の使者長束正家の態度に腹を据えかねて降伏から戦へ転じる流れが秀逸。
のぼう側の侍たちも個性的で、それぞれタイプは違いますが心意気が男前なのは共通なのでやりとりを読んでいて爽快感があります。映画では描かれなかったエピソードもあり、先に映画を見た人でも十二分に楽しめる内容になっています。
取柄は人に好かれる事だけというのぼう様が、意地と誇りを掛けて石田三成の大群と戦うさまは痛快の一言。領民から深く慕われており、侍嫌いの百姓ですらのぼう様の頼みなら仕様がないなと聞き入れる。
一緒に泣いて一緒に笑う。殺伐とした今の時代に損得抜きで付き合えるのぼう様のような人物が国や会社を率いて欲しいとすら思えます。
実際実務面では無能で大変かもしれませんが。ワクワクしながら最後まで楽しめる、これこそが娯楽小説です。
教訓めいたものもお涙頂戴もなく、純粋に物語を味わいたい方にお勧めです。
役者がぴったりはまっていて映像も迫力ある映画も合わせてご覧になるのを推奨します。とにかく、面白い!この一言。