孤独のすすめ

 五木寛之は、その著の中で、人生は青春、朱夏、白秋、玄冬と、四つの季節が巡っていくもの。それが自然の摂理だと説いています。今は、玄冬を迎えているのに青春のような生き方をしろ、といってもそれは無理というもの。

 奈良県の明日香村に現存する「キトラ古墳壁画」は、その石室の四方の壁に、方位に対応する神獣が描かれているといわれています。国内の古墳に残る貴重な極彩色壁画であります。すなわち、東に青竜、南に朱雀、西に白虎、北に玄武。このように人生の「季節」を表すことを、五木氏は上記の如く書かれたものと思われます。

 また他方、今の高齢化社会をどのように生きればいいのかの示唆も与えています。

 車に例えて、シフトダウンして生きる必要性を訴えています。それはつまり、エンジンの回転は上げつつも減速して生きるということ。

 またこんな言葉も、私にはとても身に染みました。

 「諦める」(あきらめる)というのは、マイナス思考のように聞こえますが、その本当の意味は、「明らかに究める」(あきらかに きわめる)ということです。勇気をもって現実を直視すること、言い換えれば常に覚悟することであります。

 五木氏のこの本には、これからの高齢化社会への対処術に繋がることが多々ある、と強く感じた次第でした。