嫌な女(桂望実)

 「嫌な女」ドロドロしていそうですよね。そう思い買ったはいいがどんどん読むのを後回しにしてしまい購入から数か月後に読み始めることになった本です。20代の新米弁護士の徹子視点から、遠戚の夏子と徹子の人生を描いた物語です。

遠戚の徹子はずっと悪い女です。そして夏子視点の夏子の物語ならドロドロしたものになったかもしれません。ですが第三者的視点で物語をとらえていく弁護士という夏子の立ち位置から見ることによって夏子という存在や物語がガラリと変わることに面白さを感じてもらえると思います。結論を言えば夏子は悪い女なことには変わりはないのですが、愛すべき嫌な女になってしまいます(笑)

徹子は徹子で普通の人からは少しずれています。狭い視野の中で生きていた中で夏子の波乱万丈な人生に触れていくうちに嫌いだった夏子への気持ちや、その他のことへの視野が広がっていく過程が夏子が問題を持ってくる度に感じられ、次はどんな問題を持ってくるのだろうとワクワクしながら読み進めることができました。新米弁護士だった徹子が、弁護士を引退した後までの40,50年間、二人の人生を一気に駆け抜けていく爽快感でタイトルのドロドロしていそうなイメージを忘れてスッキリと読了できることができました。

タイトルで敬遠してしまう方もおられえると思いますが、思っていたイメージと違って面白く読み進められることと思います。代わりにタイトルのドロドロした感じを読みたい方にとっては少し物足りないかもしれません。でもこういうドロドロした女性の人生に触れてみるのも面白いかと思います。